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昨日学んだこと、覚えてますか?
みなさんこんにちは、アメリカ留学カウンセラーのぶっちです。
みなさんは、学んだことをしっかり覚えたいのに、すぐ忘れてしまって悩んでいませんか?また、覚えるためには復習が必要なことは分かっていても、どうやって復習したら良いかが分からず困ってませんか?
今日はそんなみなさんに、やり方次第でとても大きな違いをもたらす、正しい復習の仕方をお伝えしたいと思います。
Contents
なぜ人はこんなにも色々なことを忘れてしまうのでしょうか?
まず、人の脳は非常にたくさんの情報を処理しています。あなたが覚えたい英単語もそうですし、テレビで見た内容も、すれ違う人から聞こえてくる会話の内容も、前の席の人の服の色も、全部脳は処理しています。
でも、前の席の人の服の色を覚えておく必要って、ほとんどないですよね?
だから脳は、「この情報はいらないな」と認識して忘れます。脳が「これは大切な情報じゃない」と判断したら忘れるのです。
でも、来月のテストに向けて覚えた英単語は、勝手に「大切じゃない」と思われても困りますよね。だから復習して、何度も何度もその情報を脳に伝えてあげて、脳に「あ、これこの前も見たけどまた来た、じゃぁまた次も来るかもしれないから覚えておこうか」と思ってもらう必要があるのです。
でも、あなたの前の席の人は、今日も赤いTシャツ、来週も赤いTシャツ、その次の週も赤いTシャツだったら「赤いTシャツは大切な情報」と思ってくれるでしょうか?それが思ってくれないんです。なぜなら、赤いTシャツはあなたにとって重要な情報ではないから。
ということは、情報を何度も脳に伝えてあげるだけでは弱いのです。それだけでは脳は覚えてくれません。もっともっと、「この情報は大切!」と脳に知らせてあげないといけないんです。
ではどうしたら良いかというと、ただぼんやりと赤いTシャツを見るだけではなくて、「前の席の人は昨日赤いTシャツを着ていた」という風にしっかりと認識し、思い出してあげる必要があるのです。
アメリカ、ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学で、こんな実験が行われました。
何人かの学生たちに何枚もの写真を見てもらい、可能な限りたくさん覚えるようにと伝えました。そして、学生たちを3つのグループに分け、次のようにしてもらいました。
そして1週間後、全員に集まってもらい、どれだけ写真を覚えているかをテストしました。
どうなったと思いますか?その結果が次の表です。
グループ1の人たちが覚えていた写真の数は17.4枚、グループ2の人たちは23.3枚、グループ3の人たちは31.8枚覚えていました。
ここからは、写真を見るという情報のインプットの時間は同じでも、絵を描くという作業(アウトプット)の回数の違いで結果に差が出たことが分かります。
この場合、見た写真の絵を描くというのは復習ですよね。つまり復習の回数が多かったグループが、一番良い結果を出したのです。
また同じ大学での研究です。
次に、学生に科学のテキストを読んでもらいました。今回も学生を次のように2つのグループに分けて、違うやり方で復習してもらっています。
その後、2日後と1週間後に学生に集まってもらい、テキストの内容に関するテストを行いました。その結果は次の表の通りです。
テキストを読んだ後に小テストを行ったグループBは、グループAより明らかに結果が良かったことが分かりました。しかも、2日後よりも1週間後により大きな差が出ることが分かりました。
2つのグループどちらも復習をしましたが、この結果からは、小テストというアウトプットをしたグループBの方が、文献を2回読むというインプットだけの復習をしたグループAより良い結果になっています。
しかも2日後より1週間後の方が差が大きいということで、アウトプットという復習は長期記憶にもよい影響を与えていることが分かりました。
脳は重要な情報を記憶し、不要な情報を排除しようとします。ではどのように重要か不要かを判断するかと言うと、次の二つの要素であることが分かります。
これだけ分かれば、どのように復習すれば良いのかがわかりますね。
復習とは情報を何度も頭に入れ直すのではなく、アウトプットが必要と分かりました。では実際にどのような方法で行えば良いでしょうか?
アウトプットの方法は次のようなものが挙げられます。
これらはすべて、脳の中に入った情報を外に出すこと(アウトプット)ですから、こういった作業が復習として有効だと思います。
先ほどの2つ目の実験に戻りますが、面白いことに小テストをしたグループBの人たちは、小テストの内容だけでなく、それ以外のこともよく覚えていたということです。
つまり、覚えた情報を使う(アウトプットする)と、アウトプットした内容だけでなく、その時学んだ情報全体をよく覚えることができているのです。
例えば英語の授業を受けて、授業中に知らない単語や表現の意味をノートに書いておいたとします。そしてそのノートを授業後に見直すと、そこに書いてある単語や表現だけでなく、「こんな時にこの表現を使うって先生言ってたな」とか、「隣の席の人があんな風に間違えてたな」とか、授業全体のことが記憶に残るのです。
これってすごいですよね。授業が大切だからといって、授業内容すべてを覚える必要はないのです。いくつかのポイントだけ復習すれば、それが引き金になって、授業全体の記憶も残るんですね。
「エビングハウスの忘却曲線で分かる、最適な復習のタイミング」で詳しく紹介しましたが、人は何かを習ってから一日復習しなければ67%も忘れてしまいます。もしテスト前にその記憶を復活させようと思った時は、また最初から学び直すのに近いほどの労力が必要になってしまいます。
また、定期試験のない勉強、例えば英会話スクールなどの場合、レッスンを受けても復習しなければほとんどが忘れ去られてしまうことになります。
それってもったいないですよね。せっかく学んだことが長期記憶として身にならないのであれば、その時間何か他のことをしてた方がよかったくらいです。英会話スクールなどの場合、時間だけでなく学費も7割以上無駄になるのと同じことです。
もしそうなりたくなければ、学んだ後のちょっとした復習を忘れずにするようにしましょう。習ったことの2~3割しか頭に残らない人と、10割近く頭に残る人では、ものすごい差ができてしまいますからね。
「復習が大事」という言葉はよく聞きますが、「どのように復習するか」については誰もあまり教えてくれなかったのではないでしょうか?
でも、今日この記事を読んだあなたは、復習とは同じ情報を何度も頭に入れ直すのではなく、アウトプットをすることが重要であるということが分かったと思います。これを知っているだけで、これからは非常に効率的に色んなことを学んでいけると思います。
ぜひアウトプットを伴う復習を実践し、あなたの学習分野で大きな成果をあげて欲しいと思います。
こちらの記事もあわせてどうぞ!
「エピソード記憶と意味記憶とは?記憶力を上げる3つの方法」
参考:
Brain Science: Overcoming the Forgetting Curve
Benefits of Testing Memory. Best Practices and Boundary Conditions
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